アニメ「ULTRAMAN」キャストインタビュー【vol.3】潘めぐみさん
2019.01.25
ANIME&MOVIECOLUMN
累計280万部の売り上げを誇る⼈気コミックス「ULTRAMAN」。そのフル3DCGアニメが2019年4月1日、Netflixにて全世界独占配信される。
今回インタビューするのは、「ULTRAMAN」に登場するエーススーツの装着者、北斗星司役を演じる潘めぐみさん。
もともとコミック版「ULTRAMAN」のファンだった潘さんに、作品や自身の演じるキャラクターに対する熱い思い、アフレコ現場でのエピソードなどを語ってもらった。
3歳から夢中な「ウルトラマン」ファン。夢がかなって声優として制作に参加
--今回の「ULTRAMAN」にて、声を担当することになった感想をお聞かせください。
潘めぐみさん(以下、潘):昔から「ウルトラマン」が大好きだったので、今回の出演が決まったときは「願い続けていれば、夢はかなうんだ!」と感無量でした。友人やファンのみなさんも、自分のことのように喜んでくださって、それもうれしかったですね。
--「ウルトラマン」が大好きとのことですが、そのきっかけは何だったのでしょうか?
潘:声優である母の影響で、家には「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」、「ウルトラマンタロウ」などのビデオテープがいくつか置いてあったんです。本当にテープが擦り切れるというか、ビデオデッキに絡まってしまうくらい何度も観ていました。
--最初に観たのは、いつごろでしたか?
潘:3歳ぐらいですね。そのころから、「ウルトラマン」は大好きでした。どちらかというと、男の子が燃えるヒーローにあこがれていた子どもだったので(笑)。リアルタイムで観ていたウルトラマンシリーズだと「ウルトラマンティガ」になります。ティガも大好きでソフビを大事にして持っていました。
--わりと男の子っぽい育ち方をされてきたんですね(笑)。ちなみに、今回の「ULTRAMAN」では高校生である北斗(エース)役を演じますが、ご自身のキャリアの中では、これはめずらしいキャラクターでしょうか?
潘:デビュー作が少年役(『HUNTER×HUNTER』のゴン=フリークス役)というのもあって、これまでは女性キャラクターよりも少年キャラクターを演じることが多かったんですね。でも北斗は、じつは“高校生男子”として初めて演じたキャラクターなんです。
--そうなんですね。ちなみに男性キャラと女性キャラでは、どちらが演じやすいですか?
潘:男性キャラクターですね。昔から、女の子らしい遊びをしてこなかったというのもあるかもしれません。デビューしてからもしばらくは、かわいらしい女の子を演じることに恥ずかしさもありましたし…。とあるオーディションで、監督から「もっとかわいく演じられるかな?」ってリクエストされたこともありました(笑)。いまでは両方楽しんで演じられるようになりましたけど、それでも演じやすさで言ったら男の子かな? それも、おバカな熱血主人公タイプが演じやすいです(笑)。
「小生意気だけど憎めない」北斗星司というキャラクター性
--ご自身が演じる北斗星司はどんなキャラクターでしょうか? 読者に向けてご説明をお願いします。
潘:北斗の第一印象は「良い意味で小生意気な奴」でした。生意気なんですけど、彼の生い立ちや信念を知れば憎めないキャラクターですね。進次郎とは正反対で、組織にも属していないし、仲間もいない。どこか一人で戦っている意識があって。もちろん後ろ盾はあるんですけど。なんでも一人で背負って戦ってしまう面が目立つんです。本当は理解してくれる仲間がいるんですけどね…そこがいじらしいというか。
--自負心が強い感じでしょうか?
潘:強いとは思いますが、ただ“ヒーローになりたい”という思いだけで動いているわけではないんですよね。彼の原動力の根底にあるのは「南夕子を守りたい」という思いですから。ただのワガママ坊やじゃないんです(笑)。本作に登場する“ウルトラマン”の中では、彼が一番若いんですけど、青いところというか、生意気な部分もふくめて愛おしいですね。
--ストーリーの中で成長していくキャラクターは魅力的ですね。では、収録時とくに印象に残っているシーンを教えてください。
潘:終盤での戦いのシーンですね。彼が最も輝くシーンのひとつだったのではと思います。「北斗も必死で戦っているので、自分も持てる力のすべてを注ぎ込みました。
--「ULTRAMAN」の中で、自分が演じるキャラクター以外で好きな人物や星人、あるいは必殺技がありましたらお聞かせください。
潘:期待されている答えと違うかもしれませんが、光の巨人記念館の清掃員の丸さんです(笑)。のほほんとした雰囲気があって、いい味を出しているんですね。アフレコの現場でアニメを観て、最初に「動いた!」って感動したキャラクターが丸さんだったんです。
--もともと原作の時からお好きだったんですね。
潘:そうなんですよ! 茶目っ気たっぷりなおじさんで(笑)。それから、北斗と関わりの深い人物でいうとヤプールが好きですね。とにかく彼の“北斗にかける愛情”が堪りません…。また、ヤプールを演じる野島昭生さんのお芝居にも、とても良い刺激をいただきました。
作品を観るすべての人に伝えたい。誰にでもなれる可能性のあるヒーロー
--「ULTRAMAN」の原作コミックとの関わりは?
潘:もともとウルトラマンシリーズやヒーロー好きということもあって、「月刊ヒーローズ」は創刊時から読んでいるんですね。なので、原作コミックスは、連載当初から追いかけています! そんな時に「モーションコミック」のお話をいただいて、進次郎(幼少期)の声を演じさせていただいたんです。それが「ULTRAMAN」との最初の関わりですね。
--「ウルトラマンが好き」という気持ちが仕事に繋がったんでしょうか。
潘:SNSで「好き」って言ってたからかな(笑)
--「ウルトラマン」という、長い歴史あるシリーズに関わることが決まった際に、意識したことはありますか? また、「ウルトラマン」はご自身にとって、どんな作品ですか?
潘:ウルトラマンは私にとって、ヒーロー、憧れ、夢…たくさんありすぎて絞れないです! 子どものころは純粋に“あこがれの存在”だったんですけど、大人になってあらためて考えてみると「ウルトラマンは、誰にでもなれる可能性のあるヒーローなんじゃないか」って思うようになりました。ウルトラマンが戦う理由の根底には「誰かを守りたい」のほかに、さまざまな思いがあるんですね。それってヒーローだけの特別なものではない。普通に生きている私たちにも通じるものがあると思うんです。今回、私はこうして声のお仕事を通じてウルトラマンに変身できたわけですが、「私もヒーローになれたから、あなただってなれるんだよ!」というのを、作品を通して証明していきたいですね。
モーションアクターの動きに合わせて。特撮っぽさが色濃く残るアフレコ現場
--アフレコ時のエピソードや、印象に残っている共演者などを教えてください。
潘:木村良平さん、江口拓也さんをはじめ、みなさん本当にお兄さんのような存在なので、共演者の顔ぶれには安心感しかなかったですね(笑)。あとは尊敬する先輩方と毎回、収録後に打ち上げをしていたんですけど、それが本当に楽しみでした。
--とてもアットホームな現場だったんですね?
潘:そうですね。自分のパートの収録が終わると、スタッフの方が気を遣って下さってスタジオから出して下さるんです。本来なら帰っていいはずのところを、先輩たちは全体の収録が終わるまで見守ってくださっていたり…。
--そういう雰囲気の現場は、他にはあまりないのでしょうか?
潘:最近だとめずらしいかもしれませんね。今回の現場は、劇団出身の方が多かったことも影響しているのかな? 「収録が終わったら、みんなで親睦を深めよう!」という流れは、お芝居の現場の雰囲気に似ていたのかもしれませんね。
--アフレコ現場での、印象的なエピソードはなにかありますか?
潘:今回の収録でとくに印象的だったのは、モーションキャプチャーを使った映像だったことです。キャラクターそれぞれにモーションアクターさんがいるので、その人の演じる間や感情の動きに合わせて声を当てるのが貴重な体験でした。
--演技について、アクターさんと事前に話し合うことはあったんでしょうか?
潘:モーションアクターさんと、直接話すことはありませんでした。すでに撮り終えたアクターさんの動きに合わせて声をあてるので、そういう点ではより“特撮”に近い感覚かもしれないですね。こうしたふだんと違うお仕事の感覚は、共演した声優さんたちともたくさん話し合って、より良くしていけたらいいよねと。
--そんなめずらしい体験ができた、本作を監督する神山健治氏、荒牧伸志氏への印象をお聞かせください。
潘:「攻殻機動隊S.A.C.」シリーズや、「APPLESEED」など、過去に監督たちが手掛けられた作品のイメージが先にあって、「ストイックにモノ作りをされている」という印象があったんです。でも、実際お会いすると、お2人ともすごく物腰が柔らかくて、とってもチャーミングな方々という印象でした。収録の合間に何度かお話しできるタイミングがあったときは、「銀河鉄道999」や「スターウォーズ」など、SF作品や宇宙ネタの話で盛り上がったりしました。
--今回、両監督が直接、演技指導をされたそうですが、そのあたりのことをお聞かせください。
潘:ふだんのアフレコだと、監督と声優の間に「音響監督」が入ることが多いんです。でも、今回の現場では監督から直接、演出やリクエストを受ける形だったので、「もう少しここは北斗っぽさを出そうか」とか「ここはもっと(相手を転がして)遊んでみようか」など、監督の望んでいる“北斗像”がダイレクトに感じられたのはよかったなと思っています。
映像、音楽、演技。すべてが期待以上の出来
--「ULTRAMAN」を視聴するファンに、とくに観てほしいところをお伝えください。
潘:もちろん最終話(第13話)を一番観てほしいんですが、そこに至るまでの過程で展開されるさまざまなドラマにも注目して観ていただきたいです。また、映像として一番推したいのはやっぱり“アクションシーン”ですかね。特撮ファンにとって見応えのあるアクションシーンというのは鉄板かもしれませんが、それをアニメーションで行うというのはある意味挑戦的ですから。アニメでしか表現できないカットや、それに合わせた壮大な音楽、すべてが贅沢な仕上がりになっていると思います。
--では最後に、演じた台詞のなかでおすすめのシーンがあれば教えてください。
潘:最終話で北斗が口にする最後のセリフが一番好きです。それまでは進次郎のことを「恵まれた環境でなにひとつ苦労することなく、言われるがままにヒーローをやっている」と思っていた北斗が、最後のあのシーンで彼を認めたというか…北斗自身も成長したと感じさせられる一言なので、個人的にはかなり熱いセリフですね。ラスト以外にも大好きなセリフはいっぱいあるんですけどね。原作にも出てくる名台詞、名シーンは本当に数え切れないくらいあるので、みなさんにも早く作品を観ていただきたいですね。
■プロフィール
潘めぐみ(はん・めぐみ)
声優、東京都出身。アトミックモンキー所属。アニメ作品のほか、洋画吹き替え、ドラマCD、ゲーム、ラジオ、舞台と幅広く活躍中。また、女優としてNHK「ゲゲゲの女房」順子役や、映画「櫻の園」和田遙、フィーズ役などにも出演。アニメ「ULTRAMAN」では北斗星司役を務める。
【アニメ出演代表作】
「HUNTER×HUNTER」ゴン=フリークス 役、「リトルウィッチアカデミア」アツコ・カガリ役、「ハピネスチャージプリキュア!」白雪ひめ/キュアプリンセス役
取材・文/岩片 翼
写真/入江輝彦
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