迫力のサウンドと濃密なトーク!爆音の聖地で「ウルトラ極上爆音上映」開催!イベントレポート
2019.04.17
ANIME&MOVIEEVENT
アニメ「ULTRAMAN」極上爆音上映!
NETFLIXにて大ヒット配信中のアニメ「ULTRAMAN」。
その第1話〜第4話までを音響にこだわった極上のサウンドと大スクリーンで上映する「ウルトラ極上爆音上映&トークショー」が、4月14日(日)立川シネマシティ(シネマ・ツー)にて開催されました!
イベント前半では白石稔さん(白石役)をMCに迎え、神山健治×荒牧伸志両監督のほか、北斗星司役を務める潘めぐみさん、劇中の音楽を担当された戸田信子さん×陣内一真さんといった豪華スタッフ&キャストが登壇し、トークショーが行われました。ここでは大盛況となったそのステージイベントの模様をお伝えいたします!
「爆音」の聖地・立川シネマシティにて上映!
会場となった立川シネマシティは「爆音上映」の聖地として知られる映画館。左右セットで6000万円もする巨大スピーカーなど音響設備は全国トップ級で、上映の際にはその音響設備のチューニングを可能な限り楽曲担当者本人とともに作り上げるというこだわりを持ちます。
そのため熱狂的な映画ファンは「極上爆音」を求めて全国津々浦々から集まって来るとのこと。今回もそんな〝極爆〟の「ULTRAMAN」を求めて多くのファンが集いました。
第一部ではMCに白石稔さんを迎えトークショーが開催。神山健治×荒牧伸志両監督、潘めぐみさんと共に、今回「初」登壇となる作曲家の戸田信子さん・陣内一真さんがお目見えとなりました。なお、陣内さんは普段の仕事場である米国LAから駆けつけて来られたとのこと。
参考:【アニメ「ULTRAMAN」作曲】戸田信子×陣内一真インタビュー!
写真左が戸田信子さん、右が陣内和真さん。
そんな海外経験の長い陣内さんに「ULTRAMAN」の海外での反応を伺うと、
陣内「自分のSNSにはすごくたくさん感想が来ました。何ページにもわたって(感想を)送ってこられる方もいて、非常に嬉しかったですね」
とのこと。同じく海外での反応は荒牧監督の元にも届いたそうで、
神山健治監督(左)と荒牧伸志監督(右)
荒牧「Twitterなどを見ていても、日本語と英語での反響は予想の範囲内だったんですけど、スペイン語っぽいのとか、もはや何語だかわからない言葉の呟きがたくさん出てきてびっくりしましたね」
と述べられていました。
エースこと北斗星司役を務める潘めぐみさん。
同じく潘めぐみさんもTwitterでは同じ感想を持たれたと言います。
潘「一挙配信ということもあって、配信されてすぐに様々な言語で感想が届いたんです。でも、こんなに反響がすぐ来ることって(今まで)なかったんですね。中にはわからない言葉もあったんですけど、それでもすごく喜んでいることがわかる文面で。(テキストの中に)『!』がいっぱい入っているというような(笑)」
そう述べると会場は和やかなムードに。続けての神山監督は、SNSでの感想を見て「ある事」に気づいたと言います。
神山「僕もネットで反響をちょこちょこ見ているんですけど、その中で意外だったのは、漫画の原作があるのを全く知らない人がいたということですね。僕らは当然、漫画の原作を前提にして作っているのですが、それを知らない人からしたら『なんで巨大化しないんだ』という感想を持たれたり(笑)。でも、そういう方が観てくれているといういのは、すごく嬉しい喜びでしたね。あとは昔から(特撮の)『ウルトラマン』シリーズを観てこられた方が『なるほど、こういうところでストーリーが繋がっているのか』っていう風にこの『ULTRAMAN』を観てくださっていて。そういう様々な視点から観ていただけているのは、本当に嬉しい誤算だったと思っています」
と、それぞれの方が述べられているように、多くの国や世代からの感想は制作者に確実に届いていました。
映像から音楽を作る「フィルムスコアリング」
今回は「極上爆音上映」ということで、その音楽にも注目が集まりました。作曲家の戸田信子さん、陣内一真さんにその楽曲の制作秘話を伺うと、「フィルムスコアリング」というキーワードが出てきました。
戸田「『フィルムスコアリング』というのは完成した映像を元に音楽を作っていく手法なんですね。通常のアニメーションだと、まず最初に音楽を作って、それを完成したアニメに割り当てていく『サウンドトラック』方式を取るんですけど、今回の『ULTRAMAN』では一から新曲を作り上げていく『フィルムスコアリング』の方式をとりました」
またその利点を伺うと、
戸田「『フィルムスコアリング』の良いところは、特に今回のようにアクションシーンが多くある時に、そのスピード感やテンポ感に合わせて楽曲を作ることができるという点ですね。また、作中の登場人物の気持ちだったり、監督の意図する『画』では伝えられない部分を音楽で補ったりと、演出の部分でもサポートすることができるのが特徴です。それが毎回、一話ずつ監督たちと一緒に作り上げることができたので、非常に贅沢な音作りになっていると思います」
このトークには潘めぐみさんも興味津々の様子で、
潘「でも、私たちが各話のアフレコをしてから(映像と音を繋げる)ダビングまでの時間って本当に短かったと思います。その間に一話分の全ての楽曲を仕上げていたんでしょうか?」
という質問が飛び出すと、
神山「音楽は先行していたんですよ。みなさんが知らないうちに進んでいたんです(笑)」
との回答が。続けて荒牧監督も、
荒牧「モーションキャプチャーによるCGなので、動きが決まり、最終的なカット割りができた段階で戸田さん、陣内さんのチームに渡して音楽を作ってもらっていました」
とのこと。通常のセルアニメとは違う3DCGだったからこそ、音楽にもこだわりが持てたと言います。
カラータイマーはオリジナル音源!?
また、トーク後半ではこんな裏話も。作中ではカラータイマーや変身音など、これまでの特撮シリーズで使われてきた「オリジナル音源」を使っている場面も多く、
神山「(オリジナル音源は)制作途中で使えるようになったんですね。嬉しい反面、でも半分悔しいのは、それまで我々が作ってきたものが、そのオリジナルの音が入った瞬間に全てを覆しちゃう(ほどの力があった)んです。オリジナルの音源は思い出補正がかかってしまうので、それが鳴った瞬間にお客さんは嬉しくなっちゃうんですね。もっと言えば僕らも嬉しくなっちゃうんです。それでも使えることは良いことだと思って使用しましたね」
荒牧「制作チームの音響担当に高木さんという方がいらっしゃるんですけど、その方がオリジナル音源をものすごく入れてくるんですよ(笑)。それでちょっとやりすぎだろうと言って減らしたことはありましたね(笑)」
といった秘話が語られました。
また、トーク中には潘めぐみさんがどうしても聞きたかったという質問が戸田さん・陣内さんに向けられました。
潘「ウルトラマンとセブンとエースのテーマにはすごく〝兄弟感〟があったんですが、そういう繋がりは意識していたんですか?」
その問いに戸田さんが答えます。
戸田「もちろんヒーローが三人も出てくるということで、それぞれ個性を分けて曲を作ったんですけど、必ずそこには全員が兄弟であるような、同じ星にいるようなことを意識していました。というのも、最終の13話で全員が出てきてそれぞれのテーマが流れる時に、そこで一つの『ULTRAMAN』の世界ができるように意識して音楽を調整したんですね」
とのこと。音楽にも強いこだわりを持って制作された「ULTRAMAN」。一度視聴された方も、これから視聴される方も、それぞれのテーマ曲にも注目してみると新たな発見があるかもしれません。
そんなトークイベントもいよいよ終盤になると、恒例の呼びかけが。
その呼びかけの言葉とは「俺たちが、ウルトラマンだ!」。
作中で出てくる「俺はウルトラマンだ!」という特別なセリフにかけて、今回も会場一丸となり掛け声が行われました。
およそ45分に渡るイベントはこれにて終演。
続けての「ウルトラ極上爆音上映」では、戸田さん×陣内さんが特別にチューニングしたという会場の音響設備で1〜4話までが放映されました。
5.1chサラウンドによる迫力のサウンドでのバトルシーンなど、その極爆体験には会場も圧巻。上映後には満員の会場から万雷の拍手が贈られ、来場者は上映後も余韻に浸りながら会場を後にしていました。
いよいよNETFLIXにて配信開始となったアニメ「ULTRAMAN」。
まだご覧になっていない方はぜひ1ヶ月無料でも視聴できるのでぜひお試しを。