【青柳尊哉の徒然なるままに vol.25】青柳サンタのクリスマス!のお話
2019.12.04
COLUMNTOPICS
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大好評! 連載コラム第25回は「青柳サンタのクリスマス」の話!
こんにちは、編集担当のHです。
早いものでもう12月!
クリスマスシーズン到来ですね!
皆さん、今年は誰と過ごしますか?
恋人?
友達?
家族?
それとも…
ヒ・ト・リ??
ちなみに僕はその日、予定が何もないので青柳さんと忘年会でもしようかと思っています。
青柳さん、スケジュール開けといてくださいね!
いうことで今回はそんな青柳さんに「青柳サンタのクリスマス」というテーマでお話を伺いました。
果たして青柳さんのクリスマスの思い出とは?
それでは早速まいりましょう。青柳尊哉のジングルコラム、真っ赤なおハナシお届けです!
『ULTRAMANの最新刊読んだ?』
おれ読んだ!タロウ出た!タロウ!!!
次の展開が気になり過ぎるので、今度清水先生に会ったら聞いてみよう。
…と。
僕はどちらかというとネタバレ(スポーツの結果は除く)に耐性がある方かも知れません。
『これがこうなって、あの人があぁなって、こういう結末』
と言われても、
『ぉおい!!それネタバレじゃねーか!!』
なんてツッコミながらも、
『それから、それから?』
と聞きたがるタイプだ。
ゲームを買っても攻略本を読んで攻略しちゃった気になるタイプだ。
実際に既に聞かされていたシーンを観たりすると、
『おーー、このシーンは話したくなるな』
とか、
『よっ待ってましたよ!』
って具合に楽しめる。
どうして自分はそう思うようになったのか?
それは、およそ25年前のクリスマスイブの夜に盛大なるネタバレを踏んだからだ…
このコラムでも何度か話したが僕は四人兄妹の長男だ。
青柳家は寝室に家族6人、川の字で寝るスタイルをとっていた。
まぁ6人なので【川川】だね。
和室の部屋には和ダンスと洋ダンスが並び、襖には布団が仕舞われていて、ブラウン管の20型のテレビが一台。そんな部屋。
小学校の高学年になっても21時前には寝てた。
兄妹の長なので、もう少しテレビ観たいな〜という思いはあっても、弟達を従えて寝室へ行くのが仕事の一つだったのだろう。
寝室での兄妹の時間は、親の目を離れて『夜の大冒険』が始まるような気が毎日していた。
怒鳴られようが泣かされようが、昨日のことを忘れて毎日はしゃぐ。
1日の残った体力を使い切る使命でもあったのだろうか、飽きもせず学習もせずはしゃいでいた。
時は平成6年のクリスマスイブの夜のこと。
僕はサンタクロースを信じていた。
冗談じゃなく信じていた。
こんなに希望のあることを、奇跡みたいなことを信じない理由がなかった。
『昨日のクリスマスプレゼント、何もらった?』
と聞いてくる同級生たちで本当によかった。
『昨日サンタさんから、何もらった?』
なんてセリフだったら、
『サンタなんていないよ!』
と言い出す友達が現れて
【サンタクロースは親だ論争】が始まっていただろう。
そして学校から帰ってお母ちゃんに
『ねぇ、サンタクロースってお父さんなの?』
って、『ねぇ変身してよ』と同義語のその質問をぶつけてしまっていたかもしれない。
《クリスマスにサンタクロースに手紙を出したらプレゼントが届く》
なんてロマンチックなんだろうか。
僕はそんなロマンを――
サンタクロースは親だ論争を持ち込まなかった同級生の想いを――
僕なんかよりずっと素直にサンタクロースを待っていた弟達の想いを――
何より子供の喜ぶ顔を見たい!という親の想いを――
あの夜、僕はぶち壊した。
明日の朝、枕元にプレゼントが置かれているのを、もう12月になった時から、いや去年枕元にプレゼントが置かれていたその日から、来年の明日を待っていた。
待っていた僕らはいつもよりも素直に、もっと言えば己から望んで寝室へと向かった。
明日を嬉々として待つ僕ら。
興奮気味に有り余った体力を使い切ろうと敷き詰められた布団の上を走り回る。
風呂に入った後だというのに汗だくになって走り回る走り回る。
そしてふと、本当にふと僕の脳内に小さなイタズラ虫が囁いた気がした。
その囁きを無視することがあの日出来れば、きっと僕はネタバレを踏むことにもっと敏感になり、耳を塞ぐことをする大人になっていたかもしれない。
そして、現実的な判断より、もっとロマンに情熱を注ぐ大人になれたかもしれない。
ゼーゼーと息を上げ、明日への希望に胸を膨らませていた弟たちに僕は、
『クリスマスプレゼント、隠してあったりして?』
と言ってしまっていた。
弟たちは『えっ!? 尊兄ちゃん、なんて事を言うんだ!?』そう言わんばかりの顔で、僕自身もそうでない事を願っているという顔で、
『探す?』
って言葉を続けてしまっていた。
僕らは途轍も無い悪さをしているんじゃ無いか?
でも、もしかしたらサンタクロースの正体を掴めるんじゃないか?
そんな、未だかつて出会ったことのない感情と出逢いながら部屋中を駆け回った。
和ダンスを開け、洋ダンスを開け、綺麗に整列された父の背広の向こう側を母の洋服の向こう側に手を伸ばして、タンスの上も登ってみた。
『無いよ!尊兄ちゃん、絶対ないよ!』
今にも泣き出しそうな三男も、『あー、わかってるよ兄貴』と共同戦線にいるんだと決意に滲む次男も、まだ三つか四つの彼女の記憶には今日の日が残らないでくれと願いつつ、僕らは最後の扉を、そこは何故か開けてはいけないんじゃないかと薄々と気付いていたその扉を開けてみた。
襖の扉を!!!
翌朝、僕らの枕元には赤い包装紙に包まれたサンタクロースからのプレゼントが届いていた。
明日になったら青か黄色か何色でもいいから違う色になっててくれと願っていた赤い包装紙。
昨日見た赤い包装紙。
その日はじめて知った絶望という感情。
その日、目が覚めて僕はどんな顔をしていただろう?
兄妹はどうやって朝を迎え、学校へ父の元へ母の元へ向かったのだろうか?
覚えてないなぁ…
あまりにも悲しく、ただそれ以上に申し訳なく、両親を兄妹をそしてサンタクロースを裏切った自分は取り返しのつかない罪を背負った気がしたんだ。
だから、大人になった今、決めていることがある。
《僕は絶対にクリスマスプレゼントを手渡さない》
メリークリスマス!
あなたにとって完璧な夜を願っています。
青柳尊哉
ということで今回のイラストは早田進!
彼もまた、幼き進次郎のサンタクロースになっていたのだろうか。
【担当Hより】
青柳さん、今月もコラム連載ありがとうございます。
《クリスマスにサンタクロースに手紙を出したらプレゼントが届く》
というのは、確かにロマンのあるお話ですよね。
でも、この情報化社会において、最近の子供たちは親のAmazonアカウントの「欲しいものリスト」にサンタさんへのリクエストを自分で登録するらしいですよ。
これにより、親と子供のプレゼント選択にミスがなくなり、お互いにハッピーになれるそうです。
いや〜恐ろしい時代ですね。
そんな現代っ子に比べれば、弟さん妹さんたちにはまだ夢が残っていたのだと思います。
だから青柳さんもあまり気にされない方が良いと思いますよ。
さて、話は変わりまして次回のお題です。
いよいよ来月は2020年、新しい1年の始まりです。
ということで、「青柳さんの今年(2020年)の抱負!」をぜひお聞かせいただければと思います。
ちなみに僕は2020年は「1分たりとも残業しない」を抱負にしたいと思っています。
読者の皆さんも青柳さんに聞きたいことがあったらぜひTwitterなどでリプライくださいね!
それでは次回もよろしくお願いいたします!
「ULTRAMAN」14巻、絶賛発売中です!
ぜひこちらも合わせてお楽しみください!
Profile
青柳尊哉(あおやぎ・たかや)
1985年2月6日、佐賀県出身。俳優、アルファセレクション所属。
2016年~2018年「ウルトラマンオーブ」、「劇場版ウルトラマンジード」にてオーブの宿敵・ジャグラスジャグラー役を演じる。特技はサッカー、水泳、アクション・殺陣、料理(イタリア料理・デザートなど)。
【最新情報!】
●2019年12月15日【TSUBURAYA CONVENTION 2019】出演!
『DARKNESS HEELS Morning Sabbat ~夜明けのコーヒーとともに~』
出演:青柳尊哉(『ウルトラマンオーブ』ジャグラス ジャグラー役)、渡辺邦斗(『ウルトラマンジード』伏井出ケイ役)、七瀬公(『ウルトラマンタイガ』霧崎役)、マグマ星人、ダークネスヒールズ ほか
https://tsubu-con.com/program/t07/
●11月15日より全国公開中!
映画【影踏み】
篠原哲雄監督
山崎まさよし主演/難波刑事役
詳しくは→ https://kagefumi-movie.jp/
●映画【HE-LOW THE SECOND】(高野八誠監督)各地で上映中!
詳しくはこちら!
●青柳尊哉×田口清隆監督企画空想科学ドラマシリーズ【UNFIX】
毎月1話、YouTubeにて最新話更新中!
【UNFIX】動画一覧はこちら!
詳しくはこちら→「UNFIX」公式Twitterをご覧ください。
●「浅田弘幸×青柳尊哉×ジャグラスジャグラー コラボイラストアート~ジャグラスジャグラークロニクル~」2種類発売中!(限定品)
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