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「ULTRAMAN」16巻発売中! 謎のキーマン「牧史郎」とは?

2021.01.05

COLUMN

 

謎のキーマン・牧史郎とは?

 

クールなイケオジキャラクター、牧史郎。

陰影際立つこの男が、遠藤刑事の前に現れたのはコミックス14巻(第86話)から。

要所要所で現れては意味ありげな言葉を吐くインパクトの大きなキャラクターですが、16巻現在、その素性はほとんど判明していません。それゆえ、

「一体どんなキャラクターなの?」

と思っていらっしゃる方も多いでしょう。

今回はそんなミステリアスな男・牧史郎についてご紹介したいと思います!

 

◆民間科学捜査機関 主任捜査員・牧史郎

 

コミックス14巻より)

通り魔惨殺事件の捜査をする遠藤刑事と倉田刑事の前に姿を現した男。

コミックス14巻より)

遠藤は、当初彼を科特隊のような組織の男で、警察から捜査権を取り上げに来たと勘違いしました。(諸星が初登場したシーンがちょうどそういう感じでしたね)

しかし、彼は「とある民間の科学捜査機関」に所属する主任捜査員「牧史郎」だと名乗ります。

コミックス14巻より)

コミックス14巻より)

さらには、遠藤らの元に新たに入ってきた殺人事件の情報を、警察官である彼らより先に知っていたことを告げます。

そして、次に牧史郎が登場するのは同じく14巻の第90話。

コミックス14巻より)

監視カメラの映像を見つめる牧。映像内ではベムラーの姿を確認し、さらに……

コミックス14巻より)

カメラはレナの姿を捕らえます!

どうやらベムラーとレナが接触したところを押さえたようですが、なぜ民間人である彼がこのようなことを……? 謎は深まるばかりですが、この展開は16巻以降、解き明かされて行くことに。

 

そして、次の登場は16巻(98話)。

同じモニタールームで、異星人(メフィラス星人メフィスト)の円盤が白昼堂々、その姿を現した場面です。

コミックス16巻より)

しかし一向に驚いた様子はありません。これまで隠されてきた異星人の存在が明らかになったことに皮肉めいたセリフをつぶやくのみ。おそらく異星人についての情報もある程度掴んでいるのでしょう。

コミックス16巻まででは牧の登場はこの3シーンのみですが、「ヒーローズ!!」での連載では徐々にその存在感を高めています。今後、牧と彼の組織が、どのように立ち回るのか……ぜひご期待ください!

 

 

◆「牧史郎」のモデルは?

 

さて、本作における「牧史郎」と同姓同名のキャラクターと言えば……筋金入りの円谷作品ファンの方はすでにピンときていると思います。

そう、円谷プロの特撮犯罪ドラマ『怪奇大作戦』の主人公の1人、その名も「牧史郎」その人です。

『怪奇大作戦』の牧史郎

 

同じ円谷プロとはいえ、なぜウルトラマンシリーズではなく、『怪奇大作戦』の登場キャラクター(と同姓同名の人物)が『ULTRAMAN』に登場しているのか。

実はその秘密はすでに作者の口から語られていました。

以前、清水先生・下口先生に「即答!50の質問」というインタビューを行った際に、次のようなやりとりがあったのです。

参考:「即答!50の質問」

 

――好きな円谷作品は?

『怪奇大作戦』

――その円谷作品のなかで最も好きなキャラは?

牧史郎

 

そう。

牧史郎は清水・下口先生が円谷作品の中で最も好きなキャラだったんですね。

『怪奇大作戦』は、1968年に放送されていた円谷プロダクション製作の特撮番組ですが、ヒーローや怪獣が登場するわけではありませんでした。

そのコンセプトは「科学を悪用して犯罪を犯す者と、正義と科学を守る者との対決を描く怪奇犯罪ドラマである」ということ。

怪現象を描くために特撮は登場しますが、怪獣や宇宙人は登場しません。

あくまで、科学を悪用する犯罪者や、不可思議な怪奇現象と、それを科学で捜査する専門家チームの活躍を中心とした怪奇ドラマであり、犯罪捜査ドラマでした。

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この中で、主人公たちの所属する民間の捜査組織が「科学捜査研究所(SRI)」と呼ばれるもの。

SRIは、

「いかに複雑で怪奇に満ちた犯罪であろうとも、その優れた科学力と鋭い推理を駆使して謎を解き、犯人を暴きだすことにある」

と、作中のナレーションで語られています。

『怪奇大作戦』では怪奇現象や科学を悪用することで起こったトラブルをSRIが解決する、というのが基本コンセプトでした。

同様にヒーローが登場しない特撮番組としては『ウルトラQ』などがあり、似たテイストのエピソードも数多くありますが、『怪奇大作戦』では『ウルトラQ』のように怪獣や宇宙人は登場せず、人間ドラマに主眼がおかれ、対象年齢がより高めに設定されていたと言えるでしょう。

ちなみにこの「科学捜査研究所」(SRI)は民間の科学捜査組織ですが、のちに現実の警察の組織中に、同名のセクションが誕生しました。警察ドラマなどにも警察内の科学捜査のセクションとしてたびたび登場し、「科捜研」と略されます。中には英語略称にそのまま「SRI」の使用しているドラマもあります。もしかしたら、『怪奇大作戦』のファンの方がいたのかもしれませんね。

また、『ウルトラマンマックス』にもPSRIという組織が登場しています。

牧史郎は、この『怪奇大作戦』に登場するクールで理知的、しかし心の中では犯罪を憎む青年。科学技術に通じ、SRIの頭脳として、物語を解明する探偵役として活躍した、実質的な主人公といえます。

演じるのは名優・岸田森(きしだ・しん)さん!

ウルトラファンにとっては、岸田森さんといえば、『帰ってきたウルトラマン』の主人公・郷秀樹が兄と慕う坂田モータースの社長・「坂田健」役でおなじみだと思います。

他にも円谷作品では『ウルトラマンA』(ナレーション)や、『ファイヤーマン』(水島三郎副隊長)などの作品に参加。

他にかけがえのない個性派俳優として名声を得た後も「私は円谷育ち」とおっしゃっていた岸田森氏でしたが残念ながら1982年12月28日に43歳でご逝去されました。

岸田森氏はもともと劇作家・岸田國士氏を伯父に、女優岸田今日子氏を従姉(いとこ)に持つ演劇一族の出身で、ご自身も舞台演劇の名門・文学座の出身だけあって、脚本や演出なども手掛けた才人でもありました。

『帰ってきたウルトラマン』第35話「残酷! 光怪獣プリズ魔」では朱川 審(あけかわ しん)の名で脚本を担当。

『帰ってきたウルトラマン』の中でも異彩を放つ怪獣「プリズ魔」の生みの親となった方でもありました。この「プリズ魔」は、のちのウルトラ怪獣にも大きな影響を与え、さらに円谷作品以外にも、さまざまな作品に影響を与えています。ちなみに、『シン・ウルトラマン』を監督する庵野秀明監督も、『新世紀エヴァンゲリオン』の中で、「プリズ魔」にオマージュを捧げていたりもします。

なお、『怪奇大作戦』には、いくつかの続編が作られており、『怪奇大作戦 セカンドファイル』(2007)では西島秀俊氏、『怪奇大作戦 ミステリー・ファイル』(2013)では上川隆也氏が牧史郎を演じています。

 

さて、本作『ULTRAMAN』での牧史郎の活躍は、まだまだこれから…。

現状は遠藤刑事に絡んだのみですが、今後、どのように他のキャラクターたちと繋がっていくのか……牧史郎と、彼の属する民間組織の活躍に注目してください!

また、最新コミックス16巻にもぜひご注目を!

 

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『怪奇大作戦』をもっと詳しく知りたい方はこちらより

 

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文/やましなミミッチ

 

 

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