「ULTRAMAN」16巻発売中! タロウに急接近する美女異星人「バルキー」とは?
2021.01.16
COLUMN
闇のヒロイン登場!? バルキーとは何者
前回の牧史郎、前々回のメフィスト、そして早田に井手と、魅力的なイケオジキャラには事欠かない『ULTRAMAN』。
もちろん進次郎に北斗、諸星、ジャック、タロウといった青年ヒーローも大活躍しています。
では……『ULTRAMAN』という作品の中で「好きな女性キャラクターは?」と聞かれた時、みなさんは何と答えるでしょうか。
「佐山レナ一択でしょ」
という方も多いと思います。
そう。
『ULTRAMAN』はこれまで9年以上にわたり連載が続き、単行本にして16巻、100話を越えていますが、実は登場するキャラクターのほとんどが男性であり、女性キャラクターは非常に少ないのです。
もちろん、「早田夫人がいるではないか」「諸星配下の女性科特隊員がいる」「進次郎がナンパしようとした女子高生は?」「第1話冒頭に登場した《光の巨人記念館》のお姉さんもいるぞ!」「僕の夕子ちゃんを無視するな」「僕はフジ主任推しだが」
といった様々な異論・ご意見もあるかもしれません。
それぞれ魅力的ですし、外伝があったならば読んでみたいのはやまやまですが……しかし彼女たちは圧倒的に出番が少ない。
言葉のアヤではなく、本当にヒロインと呼べるキャラクターは、ほぼ佐山レナしかいなかったのです。
と……そこに登場したもうひとりのヒロイン。それがバルキーです。
(コミックス14巻より)
好評発売中の『ULTRAMAN』コミックス第16巻でも暗躍する、謎多き女性異星人です。
行く先々で事態を撹乱するトリッキーなキャラクターですが、その魅力にSNSでは早くも心を奪われた方々のつぶやきが散見できます。
なにしろ、久々の女性キャラクター。今後の展開によっては、佐山レナと人気を争う「ダーク・ヒロイン」になるのかもしれません。
ここでは、そんな「バルキー」についてご紹介しましょう。
◆闇のツアーコンダクター
(コミックス14巻より)
最初に登場したのは、『ULTRAMAN』コミックス第14巻(85話)。
廃病院にたむろする若者たちの前に現れたツアーコンダクター姿の女性。老人たちを引き連れていましたが、この後、若者たちは無惨にも…。実はこのツアーコンダクターの正体こそがバルキーだったのです。
次に現れたのは、新宿。
(コミックス14巻より)
(コミックス14巻より)
「全員皆殺しでっす‼」
という合図とともに、老人たちは擬態を解き、本来の異星人の姿に!
バルキーは、富裕層の異星人に、◯人ツアーをコーディネートしていた!?
(コミックス14巻より)
そこに駆けつけたタロウの前で、本来の姿をとりもどすバルキー。
タロウとバルキー、対決必至かと思いきや……。
(コミックス14巻より)
チュッ!
どうもタロウ氏はバルキーに気に入られてしまった模様。タロウのカラータイマーが光っているのは、何らかの動揺のあらわれでしょうか…?
確かに未成年や変わった大人が多い科特隊チームの中でタロウを選んだのもわからないでもありませんね。
ちなみに、変身後のバルキーの口元は地球人と同様ですし、ヘルメット状の部分から髪の毛が流れていますので、見た目的には案外地球人に近いタイプの異星人なのかもしれません。
(コミックス14巻より)
そんなタロウの前ではしおらしい姿を見せる一方、星団評議会日本支部長・メフィストの前では、本来の恐るべき迫力で登場します。
彼の失敗を嘲笑することで挑発し、ある作戦へと誘導します。策士、策士を走らせる…陰謀家としてはメフィストよりも上かもしれません。
そして、タロウとの再会。
(コミックス15巻より)
タロウの気を引こうとしたのか、魔法少女スティックのようなアイテムを持ちゴスロリ衣装で登場。誰にリサーチしたのでしょうか。
これは「ぜひ『魔法少女バルキー』みたいなスピンオフをお願いしたい!」という読者の方もいらっしゃるでしょう。
(コミックス15巻より)
クスクス笑うバルキーに、タロウもデレます。
しかしそんな中、タロウが正義を行うことで星団評議会を敵に廻すことになる、と警告を発するバルキー。
もちろんタロウの答えは……。(続きはコミックスをご覧ください)
異星人による連続惨殺をエスコートしつつ、タロウに濃厚接触し、さらにメフィストを言葉巧みにけしかける策士・バルキー。
なぜ、タロウに接近したのか。
そして、タロウに見せたしおらしい姿や赤面は本物なのか。
物語をかき回すトリックスターの今後の暗躍に、要注目です!
ぜひ「ヒーローズ!!」での連載や最新コミックスをお見逃しなく!
◆バルキーのモデル「バルキー星人」とは?
ちなみに、本作バルキーと同じ名で特撮『ウルトラマンタロウ』の最終話(53話「さらばタロウよ! ウルトラの母よ!」)に登場したのは、宇宙海人バルキー星人です。
宇宙海人バルキー星人は海獣サメクジラを操って船舶を襲撃。手に「バルキーリング」という特殊な武器を持ってサメクジラとともに日本に上陸し、ウルトラマンタロウと交戦します。
2対1の戦いでタロウを追い詰めようとしますが、海人・海獣である彼らは地上では力を発揮できないのか、タロウの前ではそれほどの強敵ではありませんでした。タロウはストリウム光線でサメクジラを粉砕。バルキー星人は一旦、敗走します。
その後、再び東光太郎の前に現れたバルキー星人。
しかし、彼を倒したのは、ウルトラマンタロウではありませんでした。
バルキー星人の起こした海難事故で父親を失った健一少年に、誰かに頼らず1人の人間として生きていくことの大切さを示すため、東光太郎は「この地球は人間の手で守ってみせる」と宣言し、ウルトラマンタロウの力に頼らないと、変身アイテムであるウルトラバッジをウルトラの母に返却したのです。
再び襲撃してきたバルキー星人に対して、光太郎は「人間には知恵と勇気があるということを」見せるために、1人の人間として勝負を挑みました。
工場地帯に誘い込み、燃料タンクを破壊して、石油まみれになったバルキー星人を光太郎は光線銃で撃ち、大爆発させることに成功します。
光太郎はウルトラマンタロウの力も(そして防衛組織ZATの航空戦力も)借りず、1人の人間の力だけで、ラスボスであるバルキー星人を退治することに成功したのです。
その後、光太郎はZATも辞めて、完全に1人の若者として、銀座の歩行者天国の雑踏の中に消えていきました。
ちなみにウルトラマンシリーズにはバルキー星人の同族がたびたび登場します。
『ウルトラマンメビウス』では、マグマ星人とともに宇宙剣豪ザムシャーと対決し、持ち武器である「バルキーリング」で斬りかかりますが、見事に返り討ちにされています。
『ウルトラマンギンガ』シリーズでは、ダークルギエルの手下のエージェントとして暗躍。『ウルトラマンX』ではペットのサメクジラを賭けて、他の異星人とラグビーで勝負する、コミカルで友好的な宇宙人として登場します。
マグマ星人やババルウ星人などと並んで「どことなくウルトラ戦士っぽい風貌の宇宙人」ですが、強敵のイメージはなく、どちらかというと間の抜けた、憎めない宇宙人というイメージが定着しているようです。
さて、『ULTRAMAN』に登場するバルキーは、そもそも個人名か種族名なのかも判明していません。名前が同じということを除けば、特撮版に登場するバルキー星人との関係も不明です。
本作での数少ない女性キャラであり、稀代のトリックスターでもある『ULTRAMAN』でのバルキー。
最近いろいろと変化があったという噂のレナとの、ヒロイン同士の対面・対決はあるのでしょうか!?
ダークヒロイン、バルキーの活躍(暗躍?)に今後もご期待ください。
「ULTRAMAN」16巻、絶賛発売中! ご購入は書店・コンビニ・Amazonなどにて!
文/やましなミミッチ