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ULTRAMAN担当編集が選ぶ! 思い出の扉ページ10選!

2021.11.23

COLUMN

 

扉ページの「アオリ」は担当編集が唯一読者に提供する場

 

こんにちは、ULTRAMAN編集担当のK2です。

皆様のおかげで本作品も10周年を迎えることができました。

いつもご愛読誠にありがとうございます。

 

そこで今回は「ULTRAMAN」連載10周年を記念して、「担当編集が選ぶ! 思い出の扉ページ10選!」をお届けします。

 

さて、皆さんは漫画に「扉ページ」というものがあるのをご存知でしょうか?

そこにはタイトルや作者名、サブタイトルが置かれているのですが、多くの扉ページには「アオリ(キャッチコピー)」が入っています。

この「アオリ」。作家ではなく編集者が考えているものがほとんどであり、編集者が唯一読者に提供する要素なのです。

「ULTRAMAN」は現在113話が発表されており、つまり113個の扉ページがあるのですが、ここではその10選を、私的な思い出とともにご紹介していきましょう。

 

(1)第39話 跳梁

 

「青い空に憧れて────」

 

基本的に下口さんの描く扉は、構図やアイデアなどかっこいいものが多く、扉イラストが届くと「なるほど!」と思います。

ただ、この39話の扉を受け取った時の私は「??」となりました。

「お店の前に座っているおじさん」。特に変わったところはないですよね? 読者のみなさんならわかると思いますが、これはヤプールの人間態です。

ではなぜ私が動揺したのか。その理由は「ヤプールの人間態が登場したのが初めてだったから」です。

初登場のキャラをどうアオレばいいのか……苦労の跡が見えるアオリが懐かしいです。

ちなみに、なぜヤプールをここで出したのか下口先生に聞いたところ、その答えは「描きたかったから」でした。

 

(2)第54話 ブルックリンの奇跡

 

「神の御業か、悪魔の罠か」

 

基本的に扉のアオリやデザインに関して、清水先生や下口先生から何か言われることはありません。

ただこの扉については珍しく、「スタッフの間で評判良かったですよ」と感想をもらったのを覚えています。

うれしいはうれしいのですが、私自身そこまで手応えがあったコピーではなかったので不思議でしたね。

 

(3)第64話 天より降りし城塞

 

「開戦」

 

アオリについて語っていますが、私の中にいくつか心がけていることがあります。

・イラストの邪魔をしない

・(読者は基本的に読まないと思うが)目に止まったときに作品を読むテンションが上がる

・単なる説明を入れない

などですが、この扉は自分の中ではかなり理想に近い形になったかと思っています。

作家の反応も珍しくあって、良かったなと思っています。

 

(4)第89話 嗤うトリックスター

 

「紅血の海は 私の領域(フィールド)──────」

 

私は自分のコピーセンスが全く無いと思っています。これは謙遜とかではなく、本当にそう思っています。

かっこいいアオリをつけられる編集者がうらやましく、毎回苦労しています。

ただ、このアオリは自分ではかなり気に入っています。

バルキーというキャラのイメージ、言葉のリズム、さらには特撮「ウルトラマンタロウ」のバルキーが「海」をモチーフにしていることへのオマージュ。

改めてみても「悪くないな」と思うのですが、作家からはなんのリアクションもありませんでした。

 

(5)第97話 奥の手

 

「紫電一閃」

 

過去、一番苦労した扉。

メフィラスの宇宙船を上空から描いたものなのですが、ものすごく悩んだ思い出があります。

結局、それまでに何回かおこなっている「四字熟語」作戦でいったのですが、自分でもなぜこれをチョイスしたのかよくわかりません。

今でも正解が見えていないので、誰か答えを教えてください。

 

(6)第101話、第102話、第104話、第105話

 

第101話 交差する情動

「行き交う感情、忘れ得ぬ季節。失われるもの、残される記憶。」

 

第102話 マリー

「ココハ、セイギノトリデ……」

 

第104話 彷徨うココロ

「海は心に似ている 荒れたり、穏やかだったり、魔物が居たり────」

 

第105話 進歩への劇薬

「人は心に鬼を飼う────」

 

このあたり、扉のイラストは下口先生の趣味が爆発しています。

まだ101話や102話はいい。なんかメッセージみたいなものを受け取ろうと考えました。

104話の「海にうつる3つのシルエット」。なぜ、ここ?

105話の「テーブルにしたたるお茶」これなんて完全にオチのシーン。

さすがに下口先生に文句を言うと「描きたかったから」とのことでした。

 

(7)第72話 望まれざる客人

 

「『ソト コワイ』『オトナ タイヘン』『オナカ スイタ』『アソボ』『アイツ クルカナ?』」

 

これも今考えると「なぜ、このシーン?」と思うのですが、この頃の私は下口先生に文句を言うことなく素直に頑張っていました。

異星人の子どもたちに喋らせて少しでも楽しんでもらおうという努力が涙ぐましいですね。

 

(8)第106話 振り下ろされる善行

 

「夢見る少女じゃ いたくないッ」

 

第105話の私からのクレームを受けて、下口先生が扉にキャラクターを入れてくれたという努力を感じさせる1枚。

それでもキャラを正面から描かないのが下口先生って感じですね。

けど、この回は楽しんでコピーを考えた記憶があります。

 

(9)第113話 未熟な畏怖

 

「ベムラー、地球の平和は前途多難だよ…」

 

これは最新話の扉なのですが、出来上がったときに、「いい扉になったな」と思いました。

ドラマの内容を受けつつ、北斗のセリフを追うと自動的に進次郎に目線が行く。

扉を担当してくれているデザイナーさんが配置してくれたのですが、素晴らしいなと。

ちなみに、毎回扉デザインを発注する際にラフを作って送るのですが、毎回デザイナーさんは「ラフ通りのデザイン」と「デザイナーさんがイメージしたデザイン」の何パターンかを作ってくれます。

そして9割方、後者を選びます。いつもありがとうございます、I下さん!

 

(10)第31話 白雨

 

「『ただ、好きだった』」

 

この扉は、前任者の担当Kさんが作ったもので、私自身の思い出ではないのですが、いい扉だなーと思って選びました。

シンプルかつ強いメッセージ。イガル星人の幸せだと思っていた頃の思い出、その切なさを強く感じられます。

私の理想に近い感じですね。素直に良い扉だなーと思います。

 

以上、「担当編集が選ぶ! 思い出の扉ページ10選!」でした。

今後も「ULTRAMAN」のご愛読と、その扉ページにも少しだけ注目していただければ幸いです。

 

 

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