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「東京コミコン2020」でのステージショーをプレイバック!

2020.12.16

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ULTRAMAN」最新刊行記念ウルトラトークショー~継承者たち~

 

2月5日に行われた「東京コミコン2020」でのステージショー。本ステージは、「ULTRAMAN」最新コミックス16巻と、外伝小説「ULTRAMAN SUIT ANOTHER UNIVERSE Episode TIGA」の発刊を記念して行われました。

サブタイトルとして銘打たれたのは「継承者たち」。脈々と続くウルトラマンシリーズを現代に紡ぐクリエイターたちは、ウルトラマンのDNAをどのように継承しているのか? その創作秘話に迫ります!

▲司会進行役・白石稔さん

 

本ステージは完全無観客によるオンライン配信で開催。オープニングでは司会進行役の白石稔さんが登場し、「ULTRAMAN」作者・清水栄一先生、「ULTRAMAN SUIT ANOTHER UNIVERSE」作者の長谷川圭一先生、谷崎あきら先生が紹介されました。

 

トーク序盤は「ULTRAMAN」の作品紹介、そのパートが終わると、来年には「ULTRAMAN」がついに10周年を迎えるという話題に。白石さんの質問に清水先生が答えます。

白石「来年にはついに10周年ですが、清水先生、今のお気持ちは?」

清水「あっという間でした。ああ、もう10年もやってるんだっていうのが正直な気持ちです。僕らの1年は、365日でも12ヶ月でもなく、12回の締め切りという感覚なので(笑)。

感覚的にはまだ2〜3年くらいなんですけど、本当に気がついたらもう10年なんです。でも、10年も続けられたのは読者の皆さまが支えてくれたおかげなので、すごくありがたいと思っています」

さらに白石さんが続けます。

白石「10年間も描いてくると、最初に考えていた物語と比べて、色々変わってきたりすることもあると思うのですが。そのあたりはいかがでしょう?」

清水「一番(変わったこと)は、スーツを着るウルトラマンがこんなにたくさん出てきたこと。当初は諸星が出てきたところで止まる予定だったんです。

でも、シナリオを書いているうちに、なぜか北斗がスーツを着ちゃったんです。自分でも『あれっ?』と思ったんですが、そうしたら後に引けなくなってきて(笑)」

当初は進次郎と諸星だけの予定だったULTRAMAN SUIT。しかし、その後にスーツキャラクターが続々追加されていったことを清水先生は述懐します。

白石「(ウルトラマン、セブンに続いて)エースまで行ったら、その次も…ってなりますよね」

清水「そうなんです。『ウルトラマン』の正しい順番ならセブンの次はジャックが来ないといけないんですけど、先にエースが登場してしまった。これでわかると思うんですけど、そもそも(エースがスーツを着ることを)想定していなかったんです。

その後にジャックもスーツを着て、タロウ(東光太郎)もスーツを着せるつもりはなかったんですけど着ることになり…。レオとアストラの獅子兄弟も、登場時の姿が僕にとってのウルトラマンの姿だったんですけど、『いつスーツ着るんだ』みたいな話があって(笑)」

白石「それは編集部から?」

清水「編集部だったり、某プロダクションだったり…当然のように『スーツ、着るんですよね?』と(笑)。

レオとアストラについては『いや、もう強化スーツみたいなモノの着てるんですけど』って言ったんですけど、『アレはアレ。ウルトラマンスーツじゃないですよね』みたいな感じで(笑)」

白石「僕もいち読者として気になっていました。『レオとアストラは既にスーツみたいなのを着て出てきたけど、この後どうなるんだろう』って(笑)」

清水「ですから、16巻のおまけ漫画にそのことを描いていて、そこに白石さんも出てきているんですよ」

白石「え、本当ですか!? ステージ終わったらすぐに読みます(笑)」

当初はスーツキャラクターがこんなに増えることを想定していなかった「ULTRAMAN」。16巻の巻末おまけ漫画にはその秘話も収録されているので、ぜひご注目を。

 

 

北斗はエースキラー戦で命を落とす予定だった!?

 

さらに創作秘話は続きます。話題は「こうなるはずじゃなかった」キャラクターの話に。

白石「先ほど、思っていたのと違う展開になったという話がありましたけど。初期の段階でいなくなるというか、そういうキャラクターもいたという話を聞きましたが…」

▲「ULTRAMAN」作者・清水栄一先生

 

清水「実は当初、北斗はエースキラー戦の最後で命を落とすっていう、そんな結末になる予定だったんです。それで、北斗に指輪を託された進次郎が南夕子に渡しに行く…というところまで、実はもう(シナリオを)書いていたんですよ。

ですけど、もう一回書き直そうと思って書いた時に今の流れができて。本当は北斗の死を背負って、進次郎が立ち上がるみたいな流れにしようとしていたんですけど、最後のエースキラー戦で進次郎が覚醒しちゃったというか、勝手に立ち上がっちゃったんで。だったら北斗が死ぬ必要はないよねっていうことで、北斗は命を繋ぎ止めたんです」

 

16巻の見どころは?

 

続いては、スライドを使っての16巻の見どころを紹介するコーナーに。清水先生が解説します。

 

清水「これが(もともとの姿から変わって)スーツを着たレオ・アストラの獅子兄弟ですね。赤銀のスーツに変わるっていう、僕にとっての最終的な譲歩がこれだったんです。でも『これでOKだよね』って(編集部に)聞いたら、やっぱりダメだったみたいです(笑)」

 

白石「こちらは16巻の最後の方ですね。『マリー』と言えば、ついにあの方が満を持してああなっちゃうと。ぜひ気になった方はコミックスをご覧いただければと思います。清水先生的には、16巻のこういうところを見てほしいなというのはありますか?」

清水「10年かかって、やっとヒロイン(レナ)が機能し出しました。もっと早くやろうとしていたんですけど、どうしても入れるタイミングが掴めなくて。

本当は遠藤(レナの父親)の回想ももっと早く入れるつもりだったんですけど、どうしても入らなくて、後に後にになっちゃって。だから、10年かかってようやくヒロインがヒロインらしくなってきたな、と。そのあたりも楽しんでいただければと思います」

 

「ULTRAMAN SUIT ANOTHER UNIVERSE」の誕生秘話

 

▲「ULTRAMAN SUIT ANOTHER UNIVERSE」作者・長谷川圭一先生

 

トークのテーマは変わって、2019年より「月刊ホビージャパン」にて連載中の外伝小説「ULTRAMAN SUIT ANOTHER UNIVERSE」の話題に。

著者である長谷川圭一先生、谷崎あきら先生にまずは「ULTRAMAN」との出会いを伺います。

白石「長谷川さんは初めてこのULTRAMANをご覧になった時はいかがでしたか?」

長谷川「円谷プロでは『ウルトラマンティガ』などの新しいウルトラマンシリーズ(の脚本)をやっていたんですけど、どうしても破れない殻というか、ルールみたいなものがあったんですけどね。『ULTRAMAN』はそれを軽々と、これまでの慣例というか、そういうのを破ってすごく面白い世界観が展開されるのを見て、こういうアプローチがあるんだって。すごくそこに感動したというか、感心しましたね」

谷崎「やっぱり『思い切ったなぁ』と思いましたね。『これ、ありですか!?』っていう。しかもこの先生方に描かせるというところが面白いと思いました。それが10年続いているっていうのは、やっぱり世の中に受け入れられたんだなっていう思いが大きいですね」

白石「初めにこのUAUのお話が来たときにどんなお気持ちでしたか?」

長谷川「昭和の初代『ウルトラマン』の世界観で展開していく漫画のシリーズに、平成の『ティガ』が出るというのを聞いて。私自身『ウルトラマンティガ』で脚本家デビューさせていただいたということもあり、25年も経つのですが、参加させていただければと思い、描かせていただきました」

白石「谷崎さんはどのようなお気持ちで?」

谷崎「私は長谷川さんがやるんだったらと。長谷川さんに依頼されたらやるしかないという感じですから(笑)」

長谷川「というか、谷崎さんが(サポートを)やってくれるなら、ということで確か円谷プロに打診した記憶があるんです。それで今こうやって二人でやらしてもらっています」

白石「それでいうと、もともとこの企画がスタートする時に、もし書いてもらうなら誰がいいですか、という話を清水先生に聞かれたんですよね?」

清水「そうですね。最初にこの企画を聞いた時、『執筆して欲しい人はどなたかいますか』というのを聞かれて。それはもう即答で、『ダメもとですが、長谷川先生なら僕らは幸せです』って答えたんです。でも、まあダメだろうなって思っていたんですけど、まさか書いていただけるとは。だからいま、僕らは幸せになっています(笑)」

白石「今日はそんな二人が同じステージに立っていますからね。ちなみに長谷川先生は、この作品を書くに当たって、こういうところは気をつけた、意識したというところはあったりしますか」

長谷川「テレビシリーズの『ティガ』の設定を引き継ぎながらも、それとは違う漫画の世界観を踏襲するので、どういう形で作ろうかなと。だから最初に谷崎さんに相談した時に、映像ではなかなかできないオカルティックというか、ちょっと怪奇性が強い世界観を全面に出していこうという話になったんです。

昔の円谷プロ作品には怪奇性の強い作風のものが多くて、個人的にもそういう作品が好きだったので、せっかくなので『ティガ』のもともとの魅力とは違った魅力を出していこうと。

谷崎さんには、オカルトを科学するというか、単になんでもアリっていうのではなくて、ちょっと科学的に裏付けをしてほしいというお願いをして、設定を色々と考えていただきました」

▲「ULTRAMAN SUIT ANOTHER UNIVERSE」作者・谷崎あきら先生

 

谷崎「その辺の順序がどうだったかは割とあやふやなんですけど(笑)。確かにそういう話で、つまりティガスーツの場合は科特隊が開発したスーツではないので、それがなぜ、科特隊風のスーツを着て現れるのかっていうところで、色々知恵を絞りましたね」

白石「僕も読ませていただきましたけど、ゾイガーが現れるところとか、『あ、こういう方向なんだ』っていうのがあって。清水先生的にも、漫画の作品世界でも起こりうるという、そういう絶妙な世界観ですよね」

清水「そうですね。だから(漫画本編でも外伝小説のキャラクターを)出したいなぁとはずっと思っていて。描きたいなというのはあるんです」

白石「ちなみに外伝小説のティガ編は、ティガスーツとその装着者ダイゴが主人公となっていますけど、その物語の中でも登場するティガスーツと、敵役となるイーヴィルティガスーツは現在プラモデルが発売されています。こちらもどうぞご覧ください。あと、そういえば…清水先生は『ティガスーツ』のデザインがすごく難航したというお話を聞きましたけど」

清水「本当に2〜3ヶ月ずっと悩んでいた記憶があります。だから『思い入れ』というよりも、あの時の苦しかった思い出の方が蘇ってくるんです。

でも、こうやって作っていただいたのを見ると、よかったなぁというのはあって。あれだけ苦しんで、こうやって商品にしていただけたのは幸せなことだと思います。

僕も、もともとの『ウルトラマンティガ』のデザインがとにかく大好きなんで、大好きすぎて、どうこの美しさを(スーツに)落とし込んだらいいんだろうってずっと苦しんでいて。で、結果こうなったんですけど」

白石「素晴らしいと思います。長谷川さん、谷崎さんのお二人はこのスーツデザインについては?」

▲プラモデルとして商品化された「イーヴィルティガスーツ(左)」と「ティガスーツ(右)」。

 

長谷川「そうですね、やっぱり最初見た瞬間にこういう風になるんだって驚きました。やっぱり『ティガ』は放送当時からすごくデザインが完成されていると言われていたので、それがこういうアレンジになったんだって。また、(プラモデルとして)ちゃんと立体物になったのを見ると、非常にかっこいいなというイメージですね」

谷崎「イーヴィルティガには『イーヴィルフォーク』という武器が付属しているんですけど、これは小説を書いている段階ではまだデザインも何もなくて。それが後からデザインが上がってきて、実際に立体物になって、ちょっと感動的でしたね」

白石「ティガスーツとは違う武器になっていますからね。また、ティガとイーヴィルティガが、微妙に違うデザインなのがいいですよね」

清水「そうですね。イーヴィルフォークもそうですけど、差別化も意識しながらそれぞれのデザインをさせていただきました」

白石「しかもこのプラモデル、ティガスーツの方にはLEDユニットが実はついていまして。スイッチを点けると、胸の部分と目が光るんですね。

イーヴィルティガの方はアクション仕様ということで可動域が広く、ものすごく動くんですよ。こちら、公式サイトでもぜひチェックしてきただきたいなと思います」

 

 

それぞれのコメントでステージは閉幕

 

約30分にわたるステージはこれにて閉幕。最後に出演者よりコメントをいただきました。

長谷川「『月刊ホビージャパン』の連載をさせていただいた時は、小説として一冊の本に纏めていただけるとは思っていなかったので、実際に発売されてこういう風に手に取ってみると『よくぞ出してくださった』と、とても感激しています。皆さんもぜひ読んでいただけたら嬉しいです。よろしくお願いいたします」

谷崎「単行本化を目指すという話は最初からあったんですけど、実際こうやって本になったのはありがたいですよね。正直な話(単行本が出るかどうかは)五分五分だと思っていましたから。

また、幸い好評と聞いておりまして。連載の方も続いておりますし、そろそろ『Episode ZERO』がクライマックスに差し掛かるところですので、ぜひ本誌の方もお読みいただければと思います」

清水「漫画の方も後半戦には差し掛かっているんですけど、まだまだ続きます。またアニメも2期があって、外伝小説もまだ『Episode ZERO』が続くということで、今後とも楽しみにしていただけたらと思います」

白石「ぜひ皆さん今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。今後のウルトラマンの展開を楽しみにしていてください。ありがとうございました!」

 

(2020年12月5日「東京コミコン2020」にて)

 

 

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